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[UX設計] 名刺とコミュニケーションについて

具体的なデザインのノウハウというよりか、名刺をデザイン・設計する上でのベースとなる考え方について。
アナログな媒体とデジタルな媒介については、少し考え方が異なってくるので、今日はアナログ寄りのコミュニケーションについて考えていきたいと思います。

(1)名刺の役割を考える

ビジネスシーンに欠かせない存在。そう名刺です。
何気なく渡している名刺に関して、皆さんはどのように考えているでしょうか?

実際、名刺を交換する場を想像してみてください。

「初めまして、私株式会社〇〇の△△と申します。」
「頂戴いたします。」

よくある会話の雛形ですが、この時皆さんはどこを見ていますか?
さっと両面に目を通し、目の届く範囲に携え、名刺を交換した相手を見、会話をする。
この時、名刺は社名・氏名の把握としての短期記憶を補う存在であり、それ以上でもそれ以下でもありません。
これが名刺によるコミュニケーションの第一接点。
また、その場を終え持ち帰って名刺を整理するタイミングでまた目に触れます。この時、お会いした相手に対する連絡を行うことも想定されます。ここでの名刺は過去の記憶との整合性を取るための役割を果たします。
これが名刺によるコミュニケーションの第二接点。
どの方にも訪れる主な接点は上記の二点であり、最低限これらを補完していることが名刺に対して求められる役割です

(2)情報設計の考え方

日本国内では、名刺の一般規格は55mm*91mmとされており、フォントサイズは8pt以上が良いとされています。

この狭い空間内に前項で見た役割を加味して、主な条件を満たす情報とは一体何なのか?
適切な情報を考えてみると

1-1.社名、或いは屋号

1-2.肩書き

1-3.氏名

1-4.連絡先

これが最低限の情報になります。
ミニマルな発想でいけば、これだけでも良いです。
特に、周知のブランドバリューを要する会社や個人であれば、情報は少なければ少ないほど、良いとされるのが名刺における情報設計の基本です。
これは、閣僚の方や大企業の場合になりますが、所属と肩書き、氏名が非常なまでに強力な情報になるからです。

が、皆が皆そうではありません。
立ち上がって間もないベンチャー企業や、ニッチなサービスを展開している中小企業、地域で小さく事業を行っている事業主の方など、自社のことを一歩進んで知ってもらわないといけない方達が往々に存在します。
そういった場合、上記の項目に加えて補完情報を与えることが望ましくなってきます。

それは、

2-1-1.自社サービスを明確に表すヘッドコピー

2-1-2.自社紹介ボディコピー

2-2-1.URL

2-2-2.各種SNS情報

といった内容です。

上記を二分して説明すると、2-1~は名刺内で完結する情報。2-2~は1アクションしてもらった上での情報。
この時、考えなくてはいけないのが『人は無意識的に整理された情報を好む』と『人は思いの外面倒くさがりだ』ということです。

どういうことかというと、

『人は無意識的に整理された情報を好む』

伝えたいことがたくさんあり、説明の多い文字だらけの情報媒体より、厳選された情報のみを掲載された媒体の方が記憶に残りやすい。
これは情報が多いと自らその情報を咀嚼・理解し、受け入れると言う工数が発生することに起因しています。

『人は思いの外面倒くさがりだ』

しなくてもいいなら、しないのが人の常。動機やきっかけがなければ、アクションを起こすことはない。

ということです。
つまり、名刺という小さな画面の上に情報を載せるのは接点として直接的な場になるため、有効である。同時に伝えたいことがまとまっていないと伝わるものも伝わらない。そして、名刺から一歩進んでもらうためには動機付けが必要。より詳しく知りたい、という気持ちを喚起させる+αを潜ませる。
これが重要になってきます。
そのため直接情報と関節情報の両面を伝える有効な手段としては、ヘッドコピーとボディコピーで核について触れ、補足情報がwebやSNSにあることを匂わせ導線を結ぶ。
ここまでの条件を満たすことができれば、名刺の情報設計は非常にうまくいっていると考えられます。

(3)名刺とコミュニケーション

さて、ここまで来たところでアナログコミュニケーションについての本質的な前提に立ち戻りたいと思います。
それは、名刺を交換するのはあくまでも個人であり、サービスが良かろうが、良い商品があろうが、最初の入り口はあなた自身ということです。
相手が追うのはあなたの口から発せられる音であり(映像とか見せながらとかだと違うかもですが)
会社への信頼を持つのは、あなたへの信頼を通してであり
商品の魅力を知ろうと思うのは、あなたの説明の仕方に耳を傾けるからであり
そんな名刺以上の接点の情報がごちゃごちゃ、或いは印象が良くなければ伝わるものも伝わりません。
名刺はどんなに頑張っても主役にはなれません。あくまでも引き立て役の一つです。

たまに『売り上げの上がるような名刺を作って欲しいです。』といったご相談を受けますが、
『売り上げの上がるようなショップカード』ならまだしも、『売り上げの上がるような名刺』はまず別の箇所からテコ入れが必要になってくる場合が多いです。
まず自社の魅力を簡潔に述べられますか?自分の強みを理解していますか?相手にどのように貢献できますか?
こういった質問に即答できなければ、まずそこから考えるべきです。

そういった自社のブランディングを行いたい場合はチートシートを使ってお話を聞くのでご相談してください。
弊社ではこのようなユーザーコミュニケーションデザインに関するコンサルティングも行っておりますので。

PNRA, INC. お問い合わせへ

では!


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